2021.12.4 愛媛県生涯学習センター 県民小劇場ホール
【プログラム】
1.歌いたがりの歌の歌
詩 宮本益光 / 曲 加藤昌則
指揮 楠 俊明 / ピアノ 大澤宣晃
2.森山直太朗メドレー
編曲 加藤昌則
指揮 楠 俊明 / ピアノ 大澤宣晃
3.アンサンブル・ソネット愛媛20周年記念ミュージカル
【GO FOR IT~頑張る人に】
台本 宮本益光 / 作曲 加藤昌則
指揮 楠 俊明 / ピアノ 加藤昌則
ルイ・エバンズ:宮本益光
カトゥンズ:加藤昌則
司会者:大澤宣晃
発声リーダー:岡﨑 都
トミントールの人々:アンサンブル・ソネット愛媛
2000年に活動を開始したアンサンブル・ソネット愛媛は、私にとって本拠地であり、私が私でいるために必要不可欠な場所だと思っている。
それにしても、よく20年も続いたものだと感心する。いや感心しているのは自分にではなく、続けてくれた仲間たちに。不思議なことに設立時のメンバーは誰もいない。いないが確実に受け継がれたものがあり、守られ、常に新しさを見出そうとしている。
ソネットという名の器は、まるで生き物のように自在に形を変えながら、誰かを迎え、誰かを見送り、誰かを守り、誰かを励ましている。
ソネットの20周年に新作ミュージカルを…という話になったとき、私はソネットそのものを描きたいと思った。私がソネットによって生かされている部分を、何とか表現したいと願った。
題材は2008年、加藤さんと客船の仕事で立ち寄ったスコットランドでの思い出に頼ることにした。このスコットランドでの一週間は毎日が刺激的で、私は目にうつる景色と自分の心を詩にまとめ、加藤さんはそれを曲にしてくれた。
そんな生涯忘れることのない思い出と、大切なソネットの在り方とを重ね、自らのマイルストーンを形としたのが合唱によるミュージカル「“GO FOR IT~頑張る人に”」だ。
今年の夏体調を崩し舞台に立てなくなった私だったが、それを予見していたかのようにこの物語の主人公ルイも舞台で声が出なくなるという設定だった。ルイが自らを取り戻すのは大切な仲間の存在と音楽への情熱だったが、私もソネットの舞台上で最愛の仲間たちと、そして加藤さんのピアノに支えられ、確かに歌っていた。
20回記念コンサートを無事に終えた今、ソネットは2022年、22年目に突入する。まずは、これまでソネットにかかわってくれた全ての人に感謝をささげたい。誰か一人欠けても、今のソネットには届いていなかった。
説明するまでもなくソネットは詩の形式だが、私は何かしらの様式美が生まれたらいいな、とこのチームの名前に引用した。表記をson-netとしたのは、フランス語のson(音)とnette(綺麗な)を足したものだが、名は私の願いをはるかに超え、今では私を励ますまでになったのだから、ただただ有難い。
さて30周年に向けて、とりあえず加藤さんとどこか旅に出なくては。