【宮本益光コメント】

大学生のとき、時間を見つけては作曲の真似事をしていました。同期の近藤岳さんは、いまや日本を代表するオルガニストの一人ですが、もともとは優秀な作曲科の学生で、私の同期でもあります。いつも伴奏をお願いしていましたし、彼の創った歌曲は私が初演する仲でした。強い影響を受けていたのですね。真似できるはずないのに、自分でもやってみたい衝動を抑えられないのは私の良いところでもある…ことにいたしましょう。

藝大の学内演奏会で自作曲を演奏する人はそうそういないでしょう。アッパレ人生、すでに始まっていました。

シンプルな伴奏…と言うか、当時はこう書くしかできなかったわけです。今ならこう書くのに…と思わなくもないですが、逆に言えばこの単純さは、今、どこに消えてしまったのでしょう。実に不思議です。音程の跳躍がしばしば求められますが、それらを意識せず語るように(口ずさむように)歌っていただきたい作品です。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

【初演データ】

1994年11月1日　東京藝術大学第6ホール 学内演奏会

Br.宮本益光　Pf.近藤 岳

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

≫こちらの楽譜は「宮本益光歌曲集 私の歌」に収録されています。ぜひマスゾンよりお買い求めください。