朝ゆえに
詩 谷川俊太郎
曲 宮本益光
朝ゆえにあけ放つ窓に
朝ゆえにのぞむ山なみ
おはようと呼びかけて
それだけではばたいた
朝ゆえの無垢なこころ
朝ゆえにふり返る頬に
朝ゆえに浮かぶほほえみ
おはようと呼びかけて
それだけで口つぐむ
朝ゆえの静かなこころ
朝ゆえに信ずるひとの
朝ゆえにつらい優しさ
おはようと呼びかけて
それだけでみちたりた
朝ゆえの私のこころ
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【収録情報】
2023年7月
ソプラノ:鵜木絵里
ピアノ:髙田恵子
収録協力:グラフィックデザイナー 髙木龍之介
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【宮本益光コメント】
2010年、日生劇場で「オルフェオとエウリディーチェ」に出演していた私は、グルックの音楽にかなり苦しんでいて、そこから逃れるように五線紙にスケッチしていたことを覚えています。ソプラノ用に書きましたが、誰も歌ってくれないので私が初演しました。ソプラノ版初演は鵜木絵里さん、ピアノは松本康子さん。あまりに瑞々しい演奏で、自分の曲とは思えないほど感動しました。
伴奏のうねりは、朝の満ち満ちたエネルギー。その上で旋律が伸びやかに展開します。第三連で、その躍動の中にある心の静寂を表現しました。私の作品に「祝婚歌」があるのですが、それとほぼ同じ和声進行になっているのは、「愛」を内包したいという意志でした。
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【初演データ】
2014年7月16日 日暮里サニーホール
独演コンサート
Br.宮本益光 Pf.髙田恵子
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