“白鳥の歌”四題

シューベルト・ブラームス・ヴォルフ・マーラー


“白鳥の歌”四題

シューベルト・ブラームス・ヴォルフ・マーラー

宮本益光(バリトン)/ 髙田恵子(ピアノ)

定価 3,520円(税込)

発売日 2021.2.19

発売元 妙音舎

マスゾン特別価格

3,200円(消費税、送料込み)


【収録曲】

▸シューベルト

Franz Schubert(1797-1828)

白鳥の歌 D.957より

1.アトラス

2.彼女の絵姿

3.漁師の娘

4.街

5.海辺にて

6.影法師

▸ブラームス

Johannes Brahms(1833-1897)

4つの厳粛な歌 作品121より

7.人間の成り行きは

8.私は顔を向け、見た

9.おお、死よ、なんと辛いことか

▸ヴォルフ

Hugo Wolf(1860-1903)

ミケランジェロの詩による3つの歌曲

10.我、ときに思う

11.生あるものすべて

12.我が魂は感じる 神の創った憧れの光を

▸マーラー

Gustav Mahler(1860-1911)

リュッケルトの詩による5つの歌曲 より

13.この世に私はいない

14.たおやかな香りをかいだ

15.真夜中に

▸シューベルト

Franz Schubert(1797-1828)

16.ミューズの児 作品92-1 D.764

17.楽に寄す 作品88-4 D.547




【発売に寄せて】

1991年、18歳の私は東京藝大に入学し、高橋大海の門弟となった。当時、師は50代半ばで、歌手としては絶頂だったと思われるが、残念なことにすでに一線を退いていた。仲間たちの師が華々しい活躍をするのを見て「自分の先生はどんな演奏をするのだろう」と興味を持った私は、思い切って師に尋ねた。

 

「先生の録音が聴きたいです」

 

すると師は私に一枚のCDを手渡してくださった。それが「白鳥の歌 四題」との出会いであった。

 

「白鳥の歌 四題」とは、師が企画したリサイタルのライヴ録音で、シューベルト、ブラームス、ヴォルフ、マーラーの最晩年の曲を集めた、実に重厚なプログラムだった。私はあまりに嬉しく、部屋に戻るなりヘッドフォンを耳に当て、大音量で師の演奏と対面した。

 

「暗い…」それが私の第一印象だった。

 

いや、多少の弁明を許していただきたい。当時の私はあまりに無知でイタリア歌曲しか知らず、ドイツ歌曲なんて聴いたことすらなかったのだ。それがいきなり、ドイツ歌曲最高峰の作品群を聴いて何が理解出来ようか。ヴォルフなんて名前すら知らなかった。誤解を恐れずに言おう。私は師の求める世界がまーったく理解できなかったのだ、その時は。

 

それが30年経ったらどうだ。それらの藝術性、求めれば求めるほど遠ざかる景色に苦しめられ、そして癒されている。

 

いつしか私は、師が辿った道を歩んでみたくなった。師に許しを乞い、師と全く同じプログラムでの録音に踏み切ったのだ。 

宮本益光


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